Webアクセシビリティに対応すべき5つの理由

Webアクセシビリティとは「高齢者や障がい者を含めて、誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できること」を意味します。

例えば盲目の人のために音声読み上げソフトなどの支援技術がWebページを解釈できるようにHTMLを適切にマークアップしたり、ロービジョンの人のためにWebページを拡大表示してもレイアウトが崩れないようにしたりなど、技術的に解決できる対応がWebアクセシビリティでは求められています。

Webアクセシビリティを実現するために何をすればよいのか?というのはW3Cが定める”WCAG:Web Content Accessibility Guidelines”というガイドラインで定義されています。日本のJIS規格でもJIS-X 8341-3(WCAG2.0と同じ)でウェブアクセシビリティの内容が定められています。

ではWebアクセシビリティに対応する価値はあるのでしょうか?もちろん「社会的責任」はあるかもしれません。でも他には?

ここではWebアクセシビリティを対応することによるメリットについて説明したいと思います。

メリット① 訴訟リスクを回避できる

「Webアクセシビリティ 訴訟」で検索してもらうと分かるのですが、アメリカではWebアクセシビリティに対応していないことで訴訟を起こされるケースが多発しています。

その背景にはアメリカではADA : Americans with Disabilities Act of 1990 (障害を持つアメリカ人法)という法律が定められ、障害を持つ人が米国社会に完全に参加できることを保証しています。

アクセシビリティに関する法律があるのはアメリカだけではありません。

日本でも「障害者差別解消法」という法律があり、障がいを持つ方に対して「合理的配慮」を実施することが義務付けられています。(行政に対しては法的義務、事業者に対しては努力義務)

この「合理的配慮」にはWebアクセシビリティも含まれています。

ウェブアクセシビリティを含む情報アクセシビリティは、合理的配慮を的確に行うための環境の整備と位置づけられており、事前的改善措置として計画的に推進することが求められています(みんなの公共サイト運用ガイドラインより)

例えば総務省のページは「JIS X 8341-3:2016のウェブアクセシビリティ適合レベルAA」に準拠しています。
参考:総務省ウェブアクセシビリティ方針

その他世界的に見ても同様の法律を定める国・地域があるので、Webアクセシビリティに対応することは「法的リスクを回避する」ことと言えます。

メリット② 利用者のパイを最大化できる

「誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できること」に対応することは、利用できる状況を最大化することといえます。

実際に高齢者や障がい者のインターネット利用率は年々増加しています。

参考:「高齢者のインターネット利用率」/ 情報通信研究機構
参考:「障がい者のインターネットの利用率」/ 情報通信研究機構

実店舗への買い物などオフラインで難しかったことが、ネットスーパーなどオンラインによってできることが増えていることが理由としてあげられれます。

またGIGAスクール構想が実現すれば、小学生から一人一台パソコンを持つ時代になります。

そうなるとWebアクセシビリティに対応するということは、利用者の機会損失を防ぐことができ、結果利益につながると考えられます。

メリット③ サイトコンテンツの品質が向上する

WCAGのガイドラインでは「Following these guidelines will also often make your Web content more usable to users in general.(WCAGのガイドラインに従うことでWebコンテンツの使いやすさを向上させる)」と明記されています。

Webアクセシビリティに対応することで、コンテンツの内容が理解しやすくなったり、操作を覚えるハードルが下がったり、ユーザビリティ品質が向上します。

また一つのルールに従うことでコンテンツをテンプレート化(再利用)することができるので、運用コストを下げながらもコンテンツの品質を確保することができるようになります。

メリット④ SEO対策につながる

Webアクセシビリティの対応で重要なのは「マシンリーダブル」に対応することです。マシンリーダブルというのは音声読み込みソフトといった支援技術(=マシン)が解釈・認識できる形態という意味です。

例えば、ウェブページの見出しに<h1>ではなく<p>タグを使った場合、ブラウザ上の見た目は問題ないかもしれませんが、支援技術はそれが「見出し」であることが解釈できません。

SEO対策にも同じことが言えます。

人には伝わるけれども、クローラーが解釈できないコードを書いてしまうと検索順位は上がってきません。(「見出し」はSEO対策でも重要な要素!)

メリット⑤ 企業イメージの向上

最後に「社会的責務」の話になってしまいますが、CSR活動は企業のイメージを上げ、間接的に企業収益に貢献すると言われています。社会貢献によってステークホルダーからの評価を高め、購買意欲の向上や、有望な人材の確保、または行政からの支援も受けやすくなる可能性があります。

参考 : 「社会貢献で儲かって、何が悪い!」/ 日経ビジネス

 

 

以上、Webアクセシビリティに対応することのメリットを5つ挙げてみました。ただし、デメリットとしてはすべてのサイトコンテンツをWebアクセシビリティに対応するのは相当の労力がかかります。まずはサイトの「どの部分を」「どの程度」「いつまでにやるか?」というのを決めてコツコツと対応することが重要です。

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